認知症解決ドットコム

認知症の家族の負担を減らすための情報サイト

認知症薬の効果と副作用

      2015/08/14

認知症の治療薬の特徴

現在、認知症を治せる薬はありません。進行を遅らせる、症状を抑え込む、のが精一杯です。しかし体がなれてくると効果が薄くなり、数ヶ月から数年で効かなくなってしまいます。治療薬の効果は、早期治療の方が圧倒的に高くなるので、早期発見を心がけてください。

認知症の原因や症状は様々です。それにより薬の種類が変わります。似たような症状が多いため、もし間違った診断で薬を処方した場合、効果がないか、症状を悪化させることもあります。日本には認知症の専門医は少ないので、信頼できる医師を見つけることが大切になります。またそれだけに頼らず、家族や周囲の方も、認知症やその治療に関する知識をもつことを心がけてください。

 

認知症の治療薬6つの分類

大きくは、基本的な認知症の症状である中核症状の治療薬と、それにより派生する症状である周辺症状に対する治療薬に分けられます。「抗認知症薬」以外は、周辺症状用の対処療法的な治療薬です。

①抗認知症薬

中核症状を遅らせる治療薬です。代表的なものに「アリセプト」「レミニール」「メマリー」「イクセロンパッチ」「リパスタッチ」などがあります。

②抗精神病薬

周辺症状である幻覚・妄想・興奮を抑える薬です。代表的なものに「リスペリドン」「オランザピン」など

③抗パーキンソン病薬

抗精神病薬の副作用として発症するパーキンソン症状に対する薬です。代表的なものに「ブロモクリプチンメシル塩酸」など

④抗不安薬

不安・不眠・緊張を緩和する薬です。代表的なものに「クロチアゼパム」など

⑤脳循環・代謝改善薬

脳内の血液循環を良くして、脳の活性化を高めます。脳内の神経伝達物質の調整を行います。代表的なものに「ニセルゴリン」など

⑥その他

そのほか、漢方薬なども周辺症状に活用されます。現在、世界的中の先進国で、認知症の急増による問題を抱えています。そのために様々な薬の研究がなされています。例えば、脳を破壊するタンパク質である「βアミロイド」を除去する薬、脳の炎症を抑える薬、アセチルコリンを増やす薬、脳細胞の減少を食い止める薬など、認知症自体を発症させない薬などの開発が進められています。

 

認知症の治療薬、その効果と副作用

ドネペジル塩酸塩(商品名:アリセプト)

効果と特徴

アリセプトは、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の治療薬として使われています。初期から中期でもっとも効果を発揮し、認知症の進行を1年近く遅らせることが出来る。初期の場合は3年ほど遅らせることも可能です。

脳内神経伝達物質のアセチルコリンの分解を減少させることで、進行を抑え記憶障害や認知能力の低下を防ぐ。アセチルコリンの量を保つ薬として開発された。有効率20~30%。アルハイマー病の世界的な標準薬です。

副作用

吐き気や嘔吐、食欲不振や下痢、腹痛などの胃腸障害が認められています。またアセチルコリンが、脳を活性化させ、急にウロウロしたり、会話が増えたりすることがあります。心筋梗塞や心疾患、肝臓障害や潰瘍などが確認されています。

またアセチルコリンの増加は、パーキンソン症状を発生させるリスクがあります。この場合ドーパミンを増やすパーキンソン症状の投薬も同時に必要になります。

リバスチグミン(商品名:イクセロンパッチ・リバスタッチパッチ)

リバスチグミンの効果と特徴

アセチルコリンを分解するアセチルコリンエステラーゼ酵素の働きを妨害し、脳内神経伝達物質アセチルコリンを増やす作用を持つ薬で、世界82ヶ国以上の国々で認可を受けています。

日本で最初のアルツハイマー治療用貼り薬(パッチ剤)で貼るだけなので簡単です。

患者は薬を飲むという苦痛から解放され、介護側の負担も大幅に軽減することができます。

効能はアリセプトとほぼ同じで、アセチルコリン分解酵素の働きを抑えて認知症症状の進行を遅らせます。初期~中等度までのアルツハイマー病に有効です。

貼る場所は、胸、上腕部、背中のいずれかで、1日1回張り替えます。

リバスチグミンの副作用

 

 

ガランタミン臭化水素酸塩(商品名:レミニール)

レミニールの効果と特徴

アルツハイマー型認知症の初期から中期にかけて、効果を発揮します。認知症を抑える効果は、アリセプトよりも若干優れているとされていて、1年ほど前の状態にまで戻すことが可能です。有効率は20~30%とされています。

効果1:脳内のアセチルコリン濃度を上げる

頭の良し悪しは、脳内の情報伝達物質の通行量で決まります。アセチルコリンは、その情報伝達物質が通る門を開く役目があります。アルツハイマー型認知症は、このアセチルコリンを減少させていくのです。それにより脳の情報伝達量が減り、物忘れや認知能力の低下が発生します。

この薬は、アセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)の働きを抑えて、脳内のアセチルコリン量を増やします。

効果2:アセチルコリンの働きを効率よく支援する

またアセチルコリンの働きを助けて、情報が通る門を大きく開きます。それにより大量の情報を流すことが出来るのです。結果的に記憶力や認知力がアップ・改善します。

レミニールの副作用

レミニールの副作用として、吐き気や食欲不振、下痢やめまいがあります。服用し始めたころや、服用量を増やしたときに起こることが多く、服用後しばらくすると、副作用の症状は消失します。もし継続的に副作用症状があるようでしたら、別の原因が考えられますので、医師に相談ください。

メマンチン(商品名:メマリー)

グルタミン酸は脳内の興奮性のシグナル伝達物質で、脳での記憶や学習に関わっています。

アルツハイマー型認知症の場合、脳に異常なタンパク質が生成されますが、このタンパク質によりグルタミン酸が常に放出されている状態となり記憶することが困難になっています。

メマリーは2011年に発売され、脳で生じているグルタミン酸によるグルタミン酸受容体(NMDA受容体)の活性化を抑えることで、アルツハイマーの原因とされる神経細胞の障害を抑えます。

物忘れの進行を抑え、興奮、攻撃性、夜間の異常行動などの行動障害にも効果があり、重度のアルツハイマーに有効だという特長があります。

メマリーはアリセプトとの併用が可能で、アリセプト単体よりも認知機能の悪化を防ぐことができたという報告もあります。

 - 認知症の治療とケア , ,